60歳からの脳と体が若返るワークブック 最高の健康法が見つかる108実験

「睡眠時間は何時間くらいがいいのでしょうか?」
「朝食はなにをどれくらい食べるのがおすすめですか?」
「運動は1日になにをどれくらいすればいいんでしょうか?」
医療の現場や講演会などで出会う人たちから、よくこういった質問の「答え」を求められます。私は、医者を生業としていますし、自分で言うのもなんですが常に勉強は欠かさないので、臨床の現場での実感や最新の客観的データなどをもとにした「一般的な傾向」であれば、それなりに示すことはもちろんできます。ただし、それはあくまでも「ヒント」であって、誰にとっても正しい「答え」ではありません。なぜかと言うと、人間は文字通り千差万別であり、必ず個人差というものがあるからです。体格も違えば、体質も違う。既往歴や飲んでいる薬も違うでしょうし、さらには生活スタイルや価値観だって違います。そんな個人差を認めない単なる「ヒント」が、あたかもすべての人に当てはまる正解であるかのように扱われ、本当は自分に合わない健康法をひたすら続けて、たいして体調がよくもならないどころか、かえって体調を損ねている人のなんと多いことか!だから私は、「睡眠時間は何時間がいいか」といった質問に対しては、「これからの数日間、5時間、6時間、7時間、8時間、というふうに毎日睡眠時間を変える実験をしてみてください。翌朝スッキリ起きられて、体調よく過ごせた睡眠時間があなたにとってのベストなんじゃないですか?」というふうなアドバイスで返すようにしています。