年齢を重ねるにつれて衰えていく体力、そして視力、聴力、記憶力の低下。老いを実感し、落ち込んだり嘆いたりする人が少なくありません。おトシヨリに限ったことではありませんが、精神科医としての著者の長年の経験から言えることは、健康も幸せも主観的なものだということ。自分が満たされているかどうかが、健康の基準なのです。そして、それを決めるのは本人の主観であって、医者ではありません。客観的事実がどうであれ、今を幸せだと思えば幸せだし、不幸だと思えば不幸なのです。しかも、年をとるほどそれが顕著になります。幸せな面だけを見るには、ちょっとしたコツが必要です。それが、本書のテーマである「続ける」「始める」「やめる」、それぞれを明確にすることです。不要なことに囚われていたり、新たに始めるべきことに気づいていなかったりしたら、せっかくの幸運を逃してしまいます。本書では、健康で楽しく長生きするための食事、運動、生活習慣、そして心の持ち方を具体的に紹介します。70代、80代からの人生逆転のチャンスをものにするために、できるところから始めてください。終章には、89歳現役ジャーナリスト・田原総一朗さんとの「老後の不安がなくなる」ポジティブ対談を収録。